指導部だより(2022年6月号)岡田康治先生
みんな試合の時に「今日は絶対勝つぞ!」「頑張るぞ!」という気持ちで向かっていったことがあると思います。
その気持ちはとても大切。だけど試合中にいきなり強くなることもないし、使ったこともない技がいきなり使えるようになることもありません。試合本番にできることは実は少なくて「自分の持っている実力を出し切る」これだけです。
本番にできることは少ないですが、準備でできることはたくさんあります。
ふだんの稽古もその一つですね。稽古は自分の実力を伸ばすことができる大切なチャンスです。一回一回の稽古を無駄にしないよう、毎回「自分のココを伸ばし(直し)たい」と目的をもって取り組みましょう。また、自分の実力を出し切れるよう、全力で行いましょう。
では稽古の前の準備とは何があるでしょうか? じつはここからが今回みんなに一番伝えたいことです。
稽古の前の準備-着替え、道場に向かう、竹刀の準備、胴垂れを付けるなどいろいろありますね。みんなはこういった準備を、剣道とは関係のないことだと思っていないでしょうか?
道場に着いたら素早く胴垂れを付けて、稽古に向けて気持ちをつくっているAさんと、だらだらと胴垂れを付けて何も考えずに稽古を始めるBさん。二人が同じくらい稽古をしたら、どちらが自分の実力を伸ばすことができると思いますか?
試合本番だけ頑張ればいいと思ってもできないのと同じように、稽古の時だけ頑張ればいいと思ってもそれはできません。そのためにはどうすればいいか、どういった準備の仕方をすればいいか自分で考えてみましょう。そして行動しましょう。
片づけについても同じです。片づけは「次の行動に移るための最初の準備」と考えることもできます。稽古が終わって仲間としゃべりたい気持ちはとてもよくわかりますが、おしゃべりに夢中になって、片づけの手が遅くならないようにしましょう。
できる限りの準備をして、自信をもって試合本番にのぞみましょう。そうすれば必ず良い結果がついてきます。今回は剣道のこととして書きましたが、これは剣道に限らずです。
みんなでがんばりましょう