指導部だより(2022年11月号)河上 昌弘 先生
10月に行われた道場対抗、11月の江東区民大会では、亮先生をはじめ普段ご指導頂ける多くの先生方の活躍が見られました。
また、私はギブソン先生と江東区民大会において日本剣道形の演武をする機会を頂いたのですが、その稽古においても多くの先生方にご指導・見解を頂き、それらの全てが「なるほど」「そういう事か」と感じる、私にとって新しい発見に繋がる非常に勉強になるアドバイスでした。
福住剣友会には、実力を伴った先生、経験豊富な先生方が多く、そして何よりもその先生方がとても熱心にご指導頂いているという、素晴らしい環境だなと改めて感じています。
突然ですが「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という言葉を知っていますか?江戸時代の剣の達人の言葉ですが、その言葉の通り、負けるときには理由もなく負けるわけではなく、必ず何か負けた理由・要素が存在するという教えです。
さて、試合の動画を見て振り返る事はあると思います。その時、皆さんは何を見ていますか?どうせ見るなら勝った試合を見たいですよね。その気持ちはよく分かります。勝った試合を見て気持ち良くなるのは悪い事ではないです。
勝ちにつながった要素、何か負けにつながったかもしれない要素を積極的に分析するなら意味があります。でも是非、負けた試合こそ見てみましょう。なぜ負けたのか?その理由・要素を知る事はとても大きな意味があります。
自分で見つける事は簡単なことではりません。それなら、試合の後に先生方にご指導頂いた事・注意された事・褒められた事が、本当にそうなっているか?を自分自身の目で確かめてみましょう。
福住剣友会には素晴らしい先生方がたくさんいます。皆さんが自身で分析するより的確にアドバイス頂ける事も多いでしょう。「確かにそうなっている」と思えたら、もうそれで充分です。
それをどうやって直すのか、どうやったらできるようになるかを考えて次からの稽古に臨みましょう。
試合の動画を見て、また気持ちよくなったり、また落ち込んだりする必要は無いのです。動画を見ているときには、その試合は終わった話で、あなたはもう次の試合に向かって始まっています。
また、自分の剣道を動画で見ると、自分の特徴と癖が見え、理想とのギャップに気づかされる機会にもなり面白いものです。自分の理想とは、強い選手・先輩・先生方・課題の無い自分自身と様々です。
その理想と自分自身との間にどのようなギャップがあるのか、それを直すには・できるようになるには何を練習すればいいのか、次からの稽古で何を気をつけなければならないのか。これを常に考えながら稽古を続ける事こそが、自分の理想の剣道への階段を昇り続ける事に繋がります。
私は今年昇段する事ができました。ですが、理想の剣道にはまだまだ遠く、階段を昇れば昇る程、理想がより遠くへと私の階段の何段も先に進むことが、剣道の魅力でもありますね。
そして、その理想の剣道をされる先生方が身近にいらっしゃる事こそが、福住剣友会の素晴らしさだと思っています。皆さんも、理想の剣道をする先輩や先生を追いかけて日々の稽古に精進して下さい。